アキレス腱断裂
症状
運動中に足首の後ろ(アキレス腱部)が棒でたたかれた感じ、バキッと音がした後痛みで動けなくなったなどのエピソードをよくお話しされることがあります。症状としては、アキレス腱部に痛みを感じ、ヘコミ(陥凹)が触れることがあります。つま先立ちが不能になり、歩行困難になることもあります。
原因
テニスやバレーボールなどの運動中にダッシュやジャンプをした際、ふくらはぎの筋肉が急激に縮まった時(収縮)、着地動作で急激に筋肉が伸ばされた(弛緩)時に発生します。アキレス腱の老化現象(退行変性)が基盤にあるものと考えられており、そのため30歳以降から増加し、40歳前後に最も多く認められます。また、脂質異常症がアキレス腱断裂に関与しているとの報告もあります。
治療
多くの方は保存的治療を中心として、ギプスや装具での治療が行われています。アスリートやスポーツの活動性がとても高い方、スポーツ復帰を早期に希望される方などは、アキレス腱の断裂部を直接縫合(縫いあわせること)するなどの手術を選択しています。手術をしない治療(保存的治療)と手術をする治療(外科的治療)のリハビリテーションでは、施設により多少の違いありますが、早期にリハビリテーションを行う施設が増えてきています。しかし、完全なスポーツ復帰にはいずれにしても6か月程度かかることが多くなっています。