症状

朝起きて最初の一歩で足の裏（かかとの内前方）に激痛が走ったり、急に歩き出したら足の裏が痛くて外来を受診されるケースが多くみられます。運動をよくする40才以降の男性に多くみられ、高齢者では老化に伴い足底腱膜の繊維が弱くなるため、運動をしていなくても認められるケースが増加してきています。

原因

足の裏には腱（けん）が膜のように広がっています。この部分を足底腱膜と呼んでいます。この足底腱膜は走ったり、歩いたりする一連の動作に深く関与しています。お年をとることによってふくらはぎの筋肉やアキレス腱の柔軟性がなくなってくると足底腱膜により負担がかかってしまいます。その負担が過剰になると足底腱膜が損傷し、足底腱膜炎になってしまいます。

治療

過度のスポーツが原因である場合、練習量を少なく調整するか完全休養が必要になります。予防には足部や下腿部のストレッチ、足にあったシューズの選択、足底装具の使用、スポーツ後のアイシングなどが重要になっています。

治療に関しては、外用薬、炎症や痛みをおさえる痛み止めの内服、場合によっては局所の注射も行います。症状の状況によってリハビリテーションを行ったり、最近では足底腱膜に体外衝撃波を照射する体外衝撃波治療が行えます。しかし保存的治療を受けても効果がなかったり、日常生活に支障があったり、痛みのコントロールができない場合は手術的治療も考えます。