症状

関節リウマチは自己免疫反応と関節の滑膜炎（骨破壊性）を主体とする全身におこる慢性の炎症疾患であります。最初は両方の手や足の関節が対称的に腫れてきたり痛みが出現し、朝にこわばりが見られるようになります。また膝関節や股関節にも腫れや痛みが認められることもあります。そのほか関節の症状以外では、微熱・貧血・全身のだるさなどの全身症状を認めることがあります。好発年齢としては特に30～40歳代の女性に多く発症します。わが国の患者数は推定70～80万人とも言われています。症状の重症度としましては、軽症の方から重症の方までさまざまに認めます。特に問題となるのが、全身の関節に病状が進行していく場合、手足の指や手首の関節が破壊されたり、関節が脱臼して変形することがあります。また首の背骨がずれることによって脊髄が圧迫され、手足が麻痺したり、呼吸がしにくくなることがあります。

原因

関節リウマチの病態としては、自己免疫反応として自分の体の一部を異物として認識し、これに対する抗体を作って反応を起こすと考えれています。特に関節液を作る滑膜という場所でその反応が生じ、その滑膜では様々な破壊物質がうまれ、自分の軟骨や骨を破壊していきます。進行すると関節は固まったり、ゆるんで大きく変形したりします。関節が破壊されつくすと変形を残して炎症はおさまります。現在のところ明かな原因はわかっていませんが、遺伝的要素や細菌・ウイルスの感染などが関連していると考えられています。

治療

関節リウマチでは早期診断・治療がとても重要となっています。抗リウマチ薬と非ステロイド性抗炎症薬（NSAID）が治療の基本となります。そのほか副腎皮質ステロイド、生物学的抗リウマチ薬、分子標的合成抗リウマチ薬などが使用されることもあります。また関節炎に伴う疼痛や機能障害を軽減する目的でリハビリテーションが行われます。保存的治療に改善がなく、関節破壊が進行しADL（日常生活動作）に問題がある場合では外科的治療（滑膜切除・関節形成・関節固定・人工関節・腱再建術など）を行います。